支援レポート~最期までアパートで頑張れました~

支援員のHです。

会員S様のお話です。今年の2月、包括支援センターからの紹介で「きずなの会」に入会されました。アパートでの一人暮らしが大変になってきたため、ケアハウスの入所を検討することになり一緒に施設見学に行きましたが、気に入った施設の空きがなく待機となりました。それから4カ月が過ぎたころ、かかりつけ医から総合病院への受診依頼があり緊急支援をしました。受診の結果、「入院して抗がん剤治療が必要です」と医師から説明を受けましたが、S様は「絶対入院しない」と言い帰宅されました。

翌日、S様と一緒にかかりつけ医を受診し、総合病院から提供された情報をお渡して在宅医療の相談をしました。かかりつけの病院では往診ができないとのことで、包括支援センターから在宅医療の医師を紹介していただき、往診依頼が可能となりました。早速その日のうちに往診していただき、訪問看護師が毎日支援することになりました。

その後、在宅医から緩和ケア病棟の手続きを行うよう紹介状が出され、いつでも入院ができるよう準備をしました。また、訪問看護師より「痛みの訴えと、日常生活が困難になってきています」との報告があったため、S様宅を訪問し「痛みを和らげることができるので我慢しないでね。いつでも入院できるからね」とお話しすると、「大丈夫、ここがいい」と言われ、在宅生活の意志が固いことがわかりました。

そこで、介護サービスに繋げるために介護認定申請を包括支援センターに相談すると、S様のケアマネジャーが決まり、訪問介護、福祉用具貸与などが利用できることになりました。また、S様から依頼を受けて、介護居宅支援事業所との契約手続きはきずなの会がお手伝いをして、お金の管理は弁護士法人名城法律事務所が対応することになりました。ヘルパー訪問を1日3回と看護師訪問を2回、介護ベッドのレンタルや医師の往診により、安心した在宅医療を続けることができるようになりました。

その6日後、看護師さんから夜間訪問の提案を受け22時に看護師さんが訪問したところ、ほどなく息を引き取られました。在宅医の死亡確認後、看護師さんによりエンゼルケアが行われ、きずなの会からは葬儀社へ連絡し、葬儀会館へ搬送の手配を行いました。後日S様のお別れ式を行ない、収骨もいたしました。あっという間の出来事でしたが、S様に関わっていただいた方々がワンチームとなってご支援をすることができ、関係者の皆様には感謝しています。S様も最期まで希望されたアパートで過ごすことができ、喜んでいただけたと思います。

これからも、会員様一人ひとりの意思を尊重し、寄り添いながらご支援をさせていただきたいと改めて思いました。S様のご冥福をお祈りいたします。

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