高齢になっても運転免許証を返納できない事情

支援員のKです。

数年前から高齢者の交通事故が問題視され、最近では高齢者の逆走がニュースで流れるたびに、コメンテーターや専門家が、「免許証返納」について話しているのを観ます。

きずなの会の会員様の中にも、車の運転をされる方はいらっしゃいます。

先日、70代後半の会員T様が単独の物損事故を起こしました。幸いなことに大きな怪我はなく、車の破損も軽微なものでした。後日お会いした際に、今後の車の運転について話をさせていただきました。「事故を起こしてちょっとショックだったけど、自宅で生活をしている間は車を手放せない」と少し強張った顔で言われました。きっと私に、免許証返納を勧められるだろうと思っていたのでしょうが、私もT様の生活環境を考えれば、免許証返納を強く促すことは出来ないと感じています。そこで「高齢者の免許証返納」について思っていることを伺いました。すると、普段感じている不満を吐き出すように「高齢者が事故を起こすと直ぐに免許証返納などと騒がれるが、未だに無くならない飲酒運転や、あおり運転の方がよほど問題は大きいじゃないか!今はタクシーもなかなか予約が取れないし、金もかかる。かと言って、この暑さでバスや電車を利用して、出掛けるのは年寄りには酷だぞ!年寄りに免許証返納をさせるなら、先に交通手段を充実させてくれなきゃ無理だぞ」と話されました。ごもっともな意見です。しかし、事故を起こしてからでは遅いという気持ちもございます。

高齢者の運転免許証返納のタイミングは、生活環境や家族の状況によりさまざまです。

T様に限らず、高齢者の免許証返納については、とても難しい問題だと改めて実感しました。

***** きずなの会支援事業のご案内 *****

身元保証
入院・転院、施設入居、住宅入居など、ご親族に代わり、きずなの会が身元保証人になります。詳しくはこちら

生活支援
病気・ケガなどの緊急支援をはじめ、日常の生活支援を行います。詳しくはこちら