病院受診の付き添い支援

支援員Mです。

 きずなの会の生活支援の中で一番多く依頼があるのは、病院受診の付き添いです。その中で会員A様の病院受診の付き添い時に気付いたことをお話します。

 A様は高齢者施設に入居中ですが、施設からほど近い場所に自宅があります。長年にわたり商売をされてきました。生まれも育ちもこの街です。施設の居室の窓からは、自宅付近が見えるということで、生活の場は変わりましたが心穏やかに暮らされています。

 施設から歯科受診付き添いの依頼がありました。義歯が合わなくなっているということです。本人から歯科の指定はなく、以前義歯を作った場所も定かではないということから、施設に近い歯科へ行くことになりました。A様はお元気な方で歩くことに問題はありません。歯科までは数百メートルの距離です。一緒に徒歩で通院することになりました。

 施設を出ると、すぐに信号交差点があります。私は注意深く車を観察しながらA様を促し歩いていきます。A様はというと、とても嬉しそうなのです。外の空気が気持ちよいと言われ、通り過ぎる民家を見ては「お客さんの家」、「ここは同級生の家」と表情が輝いています。道際の庭に咲くお花が「可愛い」とじっと見入り、施設に移ってから遠のいていた生活が戻った様でした。帰り道も同様に町中を見物しながら、のんびりと歩きました。

私たちの支援は、ふだんはタクシーで移動することが多く、徒歩はほとんどありません。今回のA様の付き添いで、慣れ親しんだ環境が人にとっていかに大切なものであるかを再認識しました。

これからも会員の皆様に寄り添う支援ができるよう心掛けていきます。

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