スーパーウーマンの笑顔

支援員のTです。

昨年、きずなの会に入会された会員A様のお話です。

A様は定年(60歳)を迎えるまで毎日、地下鉄で都心の会社へ通勤されていました。退職直後から体が動くうちにと水泳を始め(カナヅチ克服のため)、その延長でスキューバダイビングに出会い、70代半ばまで500回以上も国内外の海に潜っていたそうです。スキューバダイビングを卒業すると、今度は海外旅行に目覚め、約10年間で20ヶ国を旅するアクティブな生活を送っていました。

ところが2年前の88歳の時に、頼りにしていた甥御様が亡くなられ、失意の真っ只中で、今度はA様が交通事故に遭われ入院されたそうです。

その際に病院から身元保証人を求められましたが、幸いその時は病院側の計らいで何とか事なきを得ました。A様は今後を案じて、包括支援センターに相談し、担当者から“きずなの会”を紹介され入会されました。

入会当時は大変お元気でしたが、定期的に通っていた病院の胃カメラ検査で胃がんが見つかり、そこから都心の大学病院を紹介され検査通院となりました。

杖をつきながら一緒にゆっくり駅まで歩き、そこから以前の通勤ルートと同じ経路で片道1時間以上かけ病院へ通う日々でしたが、現役時代を懐かしそうに語るA様はとても楽しそうでした。

治療方針を決める日、「開腹手術なら治療を拒否する!」と仰っていたA様でしたが、幸いにも内視鏡で取り切れる腫瘍であることが分かり、その日は2人でホッとしながら家路につきました。後日、入院に必要な荷物をスーツケースに詰め込むお手伝いをしました。入院当日、そのスーツケースを転がし、タクシーで病院に向かいました。

今回はきずなの会が身元保証人とり、入院手続きを済ませ、A様と握手をして別れました。翌日、無事に治療が終わった旨の連絡を担当医からいただき、約1週間の入院となりました。退院時に、お会いしたA様は以前と変わらずお元気なご様子で、安心しました。「こんなにきずなの会さんが付き添っていてくれるなら、入院もいいもんだね!」と、笑顔でご冗談をおっしゃるA様、いつまでもお元気でお過ごしいただければと願っております。

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