入会時の思いにお応えするために
2024年4月17日支援レポート
支援員のAです。今回は、会員H様ご夫婦のお話です。H様ご夫婦には、お子様はいらっしゃらなく、二人きりで生活されていました。まだまだお二人ともお元気で働き盛りの60代の頃、どちらかが一人になったときのためにと、当会と契約をされ、奥様は当会主催のイベントによく参加くださっていました。
そんなある日、ご主人様から連絡があり当会相談員とご自宅に伺いました。ご主人様は話をするのも辛そうなご様子で「私たちは病院には行かない。自然のままでいたいと思い、今まで病院へ行ったことがない。薬も飲んでいないし検査もしたことはないけど、いよいよ限界になってきたので、自分がいなくなった後のことをお願いしたい。」とのことでした。自筆証書遺言、契約している色々な事柄、奥様のこと、頼みたいことなどが書かれた封書を準備されていましたのでお預かりし、*金銭管理契約へ変更されました。
その翌日、安心されたご主人様はご自身で救急車を呼びそのまま入院となり、医師からがん末期の余命宣告を受けました。ご主人様の入院支援と、同時に奥様を一人にさせておくのは危険な状態でしたので、大急ぎでショートステイ先を手配し、その日のうちに入居していただきました。
その後、奥様にはかかりつけ医がいないため、介護認定の意見書をお願い出来る病院を探して申請し、確定した時点で施設へ入居していただきました。
ご主人様に随時報告し、またご主人様のご様子も奥様にお伝えし、安心していただきました。当時はコロナ禍で、病院での面会は禁止でした。でも、どうにか最後に会わせてあげたいとの思いから、ソーシャルワーカーさんに相談し、ご主人様には看取り対応の施設へ移動していただきました。奥様を施設にお連れし、お二人でわずかな時間でしたがお話しをされていました。
「あなたが一緒になってくれたからお店を出す事も出来たし本当に幸せだった。ありがとう感謝している。」「うん、うん。そうだね、そうだね、ありがとうね」と。
これがH様ご夫婦の最後の会話となりました。
奥様は一人になってしまいましたが、私たちきずなの会がお約束通り責任をもって最後までご支援させていただきます。入会時の思いにお応えするために。
*金銭管理契約とは・・・弁護士法人名城法律事務所が現金・通帳・キャッシュカードなどをお預かりし、入院費・施設利用料などが発生した場合、お預かりしている通帳から支払を代行します。