★☆支援レポート☆★

支援員のNです 

今回は特養に入所されていた、80代女性会員H様のお話です。

細かいところに気がつき、色々と拘りの強い、しっかりされた方でした。
H様の担当になった頃は面会の度に「私はね!亡くなった主人の親戚に騙されて、貰えるお金も貰えなかった! あんなに皆に良くしてあげたのに!返ってきたのは裏切りだけ!」と怒っていました。それから時が経ち、私の訪問を楽しみに待っていてくれるようになりましたが、親族への不満は続き、その怒りが生きる糧になっているのかと思うほどでした。ある日、思い切ってH様に言いました。「残された人生、眉間に皺を寄せて生きていくのか?お金が貯まっていくのを楽しみに生きていくのか?どちらが良いですか?」と。

H様は弁護士法人名城法律事務所と金銭管理契約をされている方なので、半年に1回の報告書が渡されます。それを見ると確実に貯まっているのが分かるので、それをお見せしながら「どうでしょう?」顔を見ながら話すと、暫く沈黙が続き、まんざらでもない顔でニコッとされ「本当だね~」と言われたので、ホッとしました。それからは訪問する度に、お金が貯まっていく話になり、気が付いた時には以前の恨み話はされなくなり「いくら貯まっているの?」と聞かれるようになりました。また別の日には、車椅子生活のため足が思うように動かず「この役立たず!」と何度もご自身の足を叩く姿もありました。
90年近くも頑張ってきたご自身の身体に「よく頑張ったなぁ、もう少し頑張ってや!さすってあげて下さい」と本人の代わりに暫くさすってあげると、じっと私を見つめる目頭にうっすら涙を浮かべて「うん、うん」とうなずかれました。

卒寿を迎えたころ、体調を崩され、そのまま帰らぬ人となりました。最期のお別れのときに
ふとお棺の中のお顔を拝見すると、心なしか眉間のシワも薄くなり、その穏やかなお顔に目頭が熱くなり、そっと手を合わせご冥福をお祈りしました。

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