元、中学校の教師をしておられた会員A様は、一人で戸建の2階寝室で寝起きをされていました。ある日ベッドから落ちて、家具とベッドの隙間から動けなくなっているのを、たまたま別件で訪問した私が発見しました。
A様をベッドに移乗し、どうされたのかお尋ねすると「力が入らなくて起き上がれなかった」とのこと。日頃は元気で憎まれ口を言われるA様ですが、いつもと違うご様子でしたので病院へお連れするから受診をとお勧めしたのですが、「行かない!」と頑なに拒否をされました。しかし、とても放っておける状態ではありませんでしたので、ケアマネジャー様に連絡したところ、早々に駆けつけてくださいました。ケアマネジャー様の説得で、しぶりながらも病院受診に同意されたものの「あそこの病院は嫌だ!」などと中々受診先が決まらず、最終的に「かつて、亡くなった夫が入院していた病院ならば…」と納得され、受診することになりました。結果、内臓疾患があり入院となりましたが、精神的ケアのため数回の面会で(徐々に得意の憎まれ口も回復)退院となりました。
比較的短期間の入院でしたが、退院に向けご本人の年齢や身体状況などから自宅の環境整備の必要を感じ、各専門職(医師、看護師、ケアマネジャーなど)の方々ともお話をさせていただき、ご本人を何とか説得し、2階の寝室を1階へ移動・お風呂場をバリアフリーにリフォーム・物であふれていた各居室の整理・エアコン設置など、自宅は過ごしやすい空間へと変貌を遂げました。退院した当初は不満を訴えていたA様も、訪問を重ねるごとに「食欲が止まらない」「本当に楽になった」「命の恩人だ」などと言われるようになり、支援員を教え子のように思い嬉しい言葉をかけていただくことも増えてきました。また私も『いつまでも元気でいてほしい』そんな思いの中で、憎まれ役にもなりながらA様との関係を保つことができるようになり、支援・仕事の「やりがい」につながっていきました。